- 子供が朝スムーズに起きられない
- 学校に行くことを苦痛に感じている
- 低学年でも起立性調節障害になる?
子供の登校時間だから起こそうと試みても、なかなか起きてくれない…。
睡眠時間が足りてないから?
学校に行きたくないから?
娘が小三の頃、「学校に行きたくない!」という気持ちは理解していたものの、仕事の都合で無理やり起こして、登校させたこともありました。ただの睡眠不足だと軽視していたからです。
でも原因は、「寝坊」や「怠け」という単純なものではありませんでした。
「起立性調節障害」という病気が関係していたのです。
思春期に多いと言われる症状ですが、低学年でも発症することがあるのです。
この記事では、子供が小三の時に「起立性調節障害」の診断に至った経緯をご紹介します。
診断後は、適切な治療と家庭での対策をすることで症状がゆっくりと改善されました。お子さんに気になる症状があれば、早めに受診しましょう。
起立性調節障害とは?原因は自律神経の不調
起立性調節障害(OD: Orthostatic Dysregulation)は、自律神経の乱れにより身体に不調をきたす病気です。
原因は「自律神経の不調」
自律神経の調子が悪くなると、血圧をうまくコントロールできません。
立ち上がった時にめまい、立ちくらみなどの症状が現れます。他にもこのような症状があります。
- 動悸
- 頭痛
- 腹痛
- 吐き気
- 倦怠感や疲労感
- 朝起きられない
- 夜眠れない
午前中に症状が出やすいので、学校に行きづらくなってしまうのです。
どうして自律神経は
乱れちゃうの?
自律神経が乱れる要因としては、主に次のようなものが挙げられます。
- 成長期(思春期)
- 睡眠不足や生活の乱れ
- ストレス
上記のようなものが原因で、交感神経と副交感神経のバランスが崩れてしまうので、「しんどい」症状が出てしまうのです。
思春期に多いと言われている
思春期に多いのは
どうして?
思春期は体が急速に成長します。でも、自律神経が体の変化に追いつけないと、血圧や心拍数をうまく調整できません。成長期の体のアンバランスが、自律神経の乱れにつながってしまうのです。
思春期は、心身のストレスが多くなってしまうのも、自律神経のバランスが崩れやすい原因です。
小学校低学年でもなる
思春期だけの病気ではありません。小学校低学年でも発症します。
我が子は、小3で「起立性調節障害」の診断を受けました。
娘は小さい頃からよく寝るタイプ。起きれないのはただの「睡眠不足」だと思っていましたが、症状がひどく悪化してきたので、ようやく病院を受診したのです。
自分に「起立性調節障害」の知識がなかったので、受診も治療も回復も遅れてしまいました。
もっと早く、
病気に気づいてあげたかった
子供がまだ低学年であっても、朝起きづらかったり、腹痛を訴えたりすることが多いのであれば注意してあげることが必要です。
「起立性調節障害ではないか?」と感じた症状
小3の二学期、「学校に行きたくない」と言うことが増え、子供の心身の状態がしだいに悪化していきました。
- 朝なかなか体を起こすことができない
- 毎朝決まって微熱や腹痛がある
- 起きた後しばらく泣くようになった
朝の目覚めが極端に悪い
寝つきが悪かったり、夜中に何度も目が覚めたり…
睡眠の質は落ちていく一方、朝起きることがどんどん難しくなっていきました。
夜寝れていないから
起きれないのでは?
最初は、それほど深刻に考えていませんでした。小2の頃も同じようなことがありましたが、自然と回復したからです。
でも次は、起きる時間が遅いだけでなく、目覚めていても起き上がることができないんです。とにかく寝起きがしんどくて泣き叫んでいました。
遅くまで寝ても
しんどいんだよね…
寝起きは、心が落ち着くまで布団でしばらく過ごし、1時間後にようやくリビングに移動する…
という日々でした。
朝の微熱と腹痛
朝、「しんどい。」と言うので熱を測ったら、37度くらい。軽い微熱だから多分大丈夫だろうと、仕事の日は登校させていました。学校でも熱は上がりませんでした。
軽い風邪かな?
「お腹が痛い…。」と言うことが多く、食欲も落ちていました。普段から腹痛を起こしやすいので、冷えや便秘が原因かな?と。深く心配はしていませんでした。
微熱や腹痛はそれほど重い症状ではありません。
でも、起立性調節障害を発症している一つのサインだったのです。
精神的に不安定
イライラして、泣いて、しんどさを訴えることが頻繁に。アトピーも再発、悪化していきました。
何に対しても意欲が落ちてしまって、外に出ることも少なくなりました。「外出して気分転換!」ができなくなったのです。
今までにない症状…
「起立性調節障害」の診断を受けるまで
子供の症状を医師に伝えるだけでは検査されませんでした。
事前に親が「起立性調節障害」について知っておくことが大事です。
あらかじめ病気の知識をつけておく
「子供 起きられない」でネット検索したことで、「起立性調節障害」へと行き着きました。
調べると、子供の症状に当てはまることばかり。初めて、起きられない原因は病気なのかもしれない、ということに気づいたのです。
ネットの情報だけでは
わかりにくい…
早速、アマゾンで「起立性調節障害」に関する本を購入。ベストセラーのものを選びました。
取り上げられている悩みのポイントがズバリ当てはまっていて、スムーズに理解しやすい本です。
熟読して、納得。
きっと
起立性調節障害だろうな…
医師に診断される前に、勝手なから確信しました。
「起立性調節障害ではありませんか?」と医師に伝える
起立試験を望んで受診しても、医師に検査を促されないこともあります。
かかりつけの小児科の先生は年配の方で…「朝の起きづらさ、微熱、腹痛、イライラ」を伝えましたが、起立性調節障害については一切触れられないまま、診察が終わりそうでした。
検査してほしいんだけど…
自分から「起立性調節障害ではありませんか?」と医師にたずねると、「検査しましょうか?」という流れになりました。後日、起立試験の予約を取ることができました。
医師の判断だけでは見過ごされる可能性もあるということです。診察では、親の視点での考えを伝えることも大事。親が一番長く近く、子供に寄り添っていますからね。
医師にスルーされてしまうケースもありうる、ことを紹介しました。
病院選びは大事だね…
できれば、「子どものこころ専門医」や「子どもの心相談医」などの資格のある専門医が理想です。
起立試験を行う
後日の午前中に予約をとり、起立試験を行います。
立ち上がった後に、下がった血圧がなかなか上がらなかったり、上がった心拍数が元に戻らない場合、「起立性調節障害」と診断されます。
娘の場合は、10分間立ち続けることができず、血圧も心拍数も安定しなかったため「陽性」となりました。
治療と家でできる対応
原因と病気が分かれば、治療が始まり、どのようなサポートが必要かが見えてきます。
症状に合った薬を服用する
診断により、処方された薬は「ミドドリン」。血圧を上げる作用があります。
すぐには効果は感じられませんでしたが、医師の指示どおり継続して服用しました。
薬飲んでても
夜中に何回も起きちゃう…
約1ヶ月後に大きな病院へ変わると同時に、ミドドリンは中止へ。とにかく夜ぐっすり眠れるように「メラトベル」という眠剤を処方されました。
夜スムーズに眠りにつき、夜中に起きる回数が減ることで、精神状態の安定につながったのです。
起立性調節障害の治療というより、子供の心身の状態を良くするための治療をしてもらうことで大きく改善されました。
信頼できる病院を継続して受診することで、適切な薬を処方してもらえます。
子供のペースを尊重する
病気の大きな原因は「ストレス」です。いち早く改善するためには、子供に「無理をさせないこと」が大事になってきます。
無理に学校に
行かすことはできない!
当時のパート先に事情を説明して退職。子供のペースを第一に考える生活にシフトしました。
仕事を辞めたことで、自分にゆとりができ、子供にも選択肢が広まりました。
- 好きな時間に登校できる
- 体調が悪くなったらいつでも下校できる
- 休みたい日は学校を休める
低学年の子供は、一人で留守番したり、登下校することが難しいのでどうしても親のサポートが必要です。「行きたい時に学校へ行ける」環境づくりに努めました。
退職は苦渋の決断だったものの、結果的に正解でした。
子供のペースを優先すると、後に、子供が何でも自分で決められる力を身につけることができます。
学校に理解と協力をお願いする
「起立性調節障害」という診断を受けたら、学校に伝えます。先生方に病気のことを理解してもらうと、子供に合ったサポートをしていただけるからです。
- 朝は特に体調が悪くなりやすい
- 遅刻や欠席が多くなるかもしれない
- 授業中に体調が悪くなる可能性がある
周りの理解があると
安心して生活できるね
症状が良くなるまで、遅刻や早退は多く、保健室も頻繁に利用させてもらっていました。どんな時も柔軟に対応してくれていたので、無理のない登校をすることがでました。
家での様子や心配事など、気になることがあれば先生に電話をして伝えましょう。先生に話を聞いてもらって協力、理解してもらえると、親も心がスッキリします。
リラックスできる空間を大切にする
一番大事にしていたことは、「リラックスできる時間」。
体調の不安定な日々が続くので、無理をさせず、心と体を休ませてあげることが大切です。
YouTubeを見たり、ゲームをしたり、雑誌を読んだり、ゴロゴロしたり…楽しさや幸せを感じると、ストレスが和らぎ、気持ちが前向きになります。
子供の落ちつける環境を整え、干渉を慎み、自由に過ごさせてあげましょう。
まとめ
「起立性調節障害」は思春期に多いと言われていますが、低学年でも発症することがあります。
我が子は、小3で診断後、すぐに症状が良くなったわけではありません。でも、適切な治療や対応を重ねることで、ゆっくりと改善されていきました。小4になってからは、毎日登校しています。
気になる症状がみられたら、早めに受診することが大事です。病気を理解し、さまざまな対策をとることで、子供の心身が安定しやすくなります。